産業用レンズ KUBOTEK 80mm f/3.5

 カメラを持っているなら誰もが一度は通る(?)産業用レンズの世界、比較的手頃だったKUBOTEK 80mm f/3.5を入手したので紹介。

このレンズは大型ディスプレイ製造ラインの検査装置に組み込まれ、高速、高精細検査を可能とし、4μmクラスの欠陥検出を行うために使われていたらしい。クボテック社HP



鏡胴は直径65mm程度、長さ160mm程度で比較的持ちやすいサイズ感。前には62mmのフィルター用のネジもある。産業用レンズはフォーカス機構を持たないものが殆どのようだが、このレンズは外側の鏡胴を回転させると内部のレンズ本体が前後するため、倍率調整ができる。さらに絞り機構も備えていて初心者向きの産業用レンズだ。

ただし、このレンズに取り付けられていたラインスキャンカメラはセンサーまでのフランジバックが36mmらしく、厳密に倍率をセットしようとするとミラーレスがマストになる点が注意。FTZを使わないでZマウント化出来たら可能性ありそう(ミラーレスで無限遠が出るかはわからないけど...)

Fマウントに取り付けると、おおよそ50cmくらいの撮影距離から遠くはピントが合わなくなるので近距離撮影専用になる。



製造メーカーが不明だが、他のサイトを眺めていると栃木ニコンで生産したという記載を見かける。もしそうだとしたら実質ニッコールレンズなのでセーフ(?)

鏡胴の質感は現行Rayfact製品に近く、絞り値の彫刻がニコンのものなのでもしかしたらそうなのかもしれない。






マウントはM41 P=0.5のネジマウントなので、別途ネジ変換が必要になる。M41 P=0.5 を
M52 P=0.75 に変換して、さらにニコン接写リングK2を嚙ませればFマウント化することができる。
D850にマウントするとサイズ感としてはちょうどいい。一見ただのオールドレンズに見えるので街中で使っても違和感ないかもしれない。



f/4の時の絞り羽根

f/5.6の時の絞り羽根

絞り羽根は7枚。f/4とf/5.6の時は写真のような形状になる。f/8まで絞るとキレイな形状になる。f/5.6にすると星型のボケが楽しめるかもしれない。







撮影距離的にはマクロ撮影だろう。腕時計くらいのサイズであればそこそこ引いた画もできる。ボケは割とキレイだと思う。
最大倍率付近だと三脚などの固定撮影がマスト。基板とかシリコンウエハーを撮るとレンズ本来の解像度極振りな写真になるに違いない。



逆光時は中央にフレアがほぼ間違いなく出る

このレンズの弱点は逆光時に中央にフレアが出る点。鏡胴の中はツルッツルで逆光耐性は皆無といっていい。眺めのフードに植毛紙を貼って対策するか、撮影時だけ植毛紙を鏡胴にブチ込んで対策するのがよさそう。


産業用レンズで撮るにゃんぷっぷー




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